2026年08月31日(月曜日)
08.31. 昔、資金繰り名人で月末残高670円の離れ技。
月末になると「月末に何も心配しなくていいなんて、いいね~」と、
我が家では一年に12回、そんな会話が交わされる。
41年前にガソリンスタンドとして独立してから、
1軒のガソリンスタンドとして商売をしている間は、
それなりに利益も出ていて平和な生活だった。
しかし、無理して二軒目のスタンドを造ろうとしたり、
その後、
コーティングのビジネスにのめり込みアイ・タック技研㈱を創って、
全国を飛び回ったりして激しく活動していた頃は、
支出は容赦なく増えるのに収入は安定せず、月末の資金繰りは多忙を極めた。
それでも月半ばまでに、その月の月末までの入金と支払いの予測を立てて、
なおも資金が足りないようだったら
月末に間に合うように借入れの手続きを進めて月末の帳尻を合わせた。
記録としては、月末残高670円で月末をクリアしたこともあります。
670円という数字は、今でも記憶に残っている数字です。
しかし、それでも
雨の日が多かったりして売り上げが予想より上がらなかったりしたら、
自分の生命保険を担保にした借り入れをしたりもした。
(あの時の借金は返したのかな?)
こんな感じで書くとのんびりしているように思えるかもしれないが、
毎月、月末はけっこう必死だったことを覚えいてる。
振り出し手形を不渡りにしたら、その場で銀行取引は中止になり会社は倒産。
あるいは社員に給料が払えなくなったら、社員は辞めるだろうから倒産。
いずれにしても、支払いをこちらの都合で伸ばすことは出来ない。即倒産だ。
だから、商売をやって行く中で毎日の売り上げの傾向や、
月末迄に現金がいくら必要なのか、借り入れ金がいつ口座に振り込まれるか
レジカウンターが頭の中にあるように常に月末に向けての計算がされていた。
だから、月末の二三日前になると、
売り上げの現金がいくら入って来るのかハラハラして、
ようやく月末の支払いが済むと、ホッとしてよく酒を飲んだものです。
その緻密さはまさしく神業で、自ら資金繰り名人と称していた。
それでもにっちもさっちも行かなくなったら、奥の手があります。
自分達(私と連れ合い)の給料を、払わない事です。
自分達の給料を支払わず、受け取らないだけだから、
これは誰に断ることもないし、手続きも無い。もちろん担保も要らない。
さらに、誰に気がつかれる事も無い。
これで、月末の支払いを無事済ませると、
とりあえず月末を越した訳なので、良かった訳ですが、
こんな事をやっていると、自分達の給料を取らないのが普通になって、
ふと気がつくと、三か月ぐらいずっと給料を払わない事があって、
連れ合いが「お金が無いんだけど…」と、
申し訳なさそうに私に言った事があります。
すると私は
「何で無いんだ。金なんかレジの中にいくらでもあるだろ。」と、
バカな事を言った事があるそうです。
すると連れ合いも「これが商売を自分でやる事なんだ」と諦めたそうです。
今考えると、ひどいものです。人でなしの大バカ者です。
それでも奇跡的に倒産もせず、月末の支払いにも苦労をしないようになって、
会社も大きくなって、経理は任せっきりにして、
月末だからと言って、ハラハラもせずに
「月末に何も心配しなくていいなんて、楽チンでいいね~」と、
ビールを飲みながら、笑えるようになりました。
その代わり、
決算発表が終わったので、
投資家相手のIR(インベスターリレーション)が毎日山ほど入っていて、
一日3件をとりあえずの制限にしているのですが、
今日は4件やって、
明日からも、普段の仕事の合間に1日3件のIRを詰め込むのを標準にし、
しばらくの間こなし続けます。
決算発表あとは、年の中でも一番忙しい日がしばらく続きますが、
何十年も前の
自分達の給料を払わずに月末をしのいだあの頃に比べると天国です。
連れ合いも「お金が無いんだけど…」とは、もう言いません。
久しぶりに昔話を書きました。





